米Broadcomが、VMware Tanzuには投資を続けている理由=買収後の運営で
VMwareが提供していた製品で、Broadcomによる買収の影響をそれほど受けずに済んでいるものがある。クラウドネイティブアプリケーション開発スイートの「VMware Tanzu」(以下、Tanzu)だ。
「VMwareの買収が完了した時点で、Tanzuポートフォリオについては――最新のアプリケーション開発を促進する製品群ですが――、別の部門になりました」。BroadcomのTanzu部門が買収後の戦略を伝えた中で、バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのPurnima Padmanabhan(プルニマ・パドマナーバン)氏が語った。「当社はこの分野への投資を継続しています」
Tanzuは多くのKubernetes環境で使用されており、多額のクラウド支出を管理する製品、エクサバイト規模の顧客データを管理する製品などがある。「現在、さまざまな業種の無数のアプリケーションがTanzuプラットフォームで運用されています。パッケージアプリだけでなく、カスタムアプリケーションや、ミッションクリティカルなアプリケーションにも使われます」
今日では、あらゆる企業がソフトウェアを利用している。デプロイが円滑にできなければ、事業を変革することはできない。「ソフトウェアの扱いをスピードという面から見てみると、リーダー企業と後進企業の間には顕著な差があります」とPadmanabhan氏は指摘する。
リーダー企業ではソフトウェアリリースが年に4,000回から18,000回行われるが、後進企業では4回あれば良い方だ。「変革のスピードにも差があることは想像に難くありません」と氏。「このようなアジリティを求めて、多くのお客様がさまざまなテクノロジーに投資をされています――オープンソースやKubernetes、パブリッククラウドなどです――とはいえ、速度を上げるというのは簡単なことではありません」
Tanzuの主な差別化要因は、ソフトウェアデリバリーを早めるためのアプローチがシンプルであることだ。無数のツールとテクノロジーで構成されていながら、開発者の目に触れるのはコマンド群だけで、これによって複数の環境を横断したアプリケーションの構築、管理が可能になっている。
また、プラットフォームエンジニアリングチームにとっては、安定性、セキュリティ、規模、パフォーマンス、コストの面で効率化を図ることができ、プラットフォームの運用にメリットがある。「Tanzuをご利用いただくことで、VMやKubernetes、パブリッククラウド、プライベートクラウドといった複数の環境を横断するような、大規模なアプリケーションの開発、運用、最適化が可能になります」
Tanzuを使用したアプリケーション構築
新しいアプリケーションをリリースする際は、開発者がビジネスロジックを構築し、Tanzuに渡す。すると、依存関係が適切で、既知の脆弱性に対処済みの、セキュアなコンテナが構築される。開発者はアプリケーションに必要な外部サービス(データサービス、パブリッククラウドサービス、AI/機械学習サービスなど)を接続し、意図した環境にデリバリーする。
デリバリー後は、Tanzuが自動的に脆弱性、監視、ログローテーション、認証情報を管理する。(「こうした退屈な作業のために、業務が止まってしまうことも多いと思います」とPadmanabhan氏。)デプロイが完了すると、Tanzuは常に最適な状態を保つための監視と測定を常時継続する。
つまり、開発者はTanzuを使用しつつ、意図した選択ができるということでもある――特定の言語や暗号化技術、ハイパースケールクラウドサービスを使いたければ、そうすることが可能だ。「そうした選択はすべて、開発者に委ねましょう。どの選択をしていただいても、企業向けのベストプラクティスやガイドラインを遵守した構成ができるようになっています」と氏。「統合プラットフォーム、Tanzuの体験とはそのようなものです」
SDxCentralのレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
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