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文:Matt Kapko

論説:MWCバルセロナ、業界全体のジェンダーアンバランスを反映

論説:MWCバルセロナ、業界全体のジェンダーアンバランスを反映

MWCバルセロナ2021では、登壇者のジェンダーアンバランスが相変わらずあからさまだった。イベントを主催するGSMAの弁解は、これほど気分を沈ませるものでなければ笑い話にはなったかもしれない。

ワイヤレス業界で最大かつ最も重要な年次イベントであるMWCバルセロナでの基調講演者にGSMAが選んだ24人のうち、女性は5人だった。

基調講演の最初の組とその後のパネルが中でも最悪だったかもしれない。あまりに程度がひどかったために、GSMAの事務局長、Mats Granryd氏が欧州の各通信事業者のCEOを集めたパネルを紹介するのに先立って、この問題を取り上げる必要性を感じたほどだ。

その後の展開を考えると、失敗を悟ってそこで止めたほうが良かっただろう。弁解の余地はなかったが、この弁解は現実と懸け離れていたのと同様、不快で不可解なものだった。

「このパネルが男性だけで構成されていることに気が付かれるでしょうが、今週のイベントがいつもこうだというわけではありません」と氏は述べた。「しかし移動が困難なために、全面的にインクルーシブなパネルにするのはいつもより少し難しかったのです」

最初のパネルのうちの1人を含め、同イベントでは多数の基調講演者が母国からリモートで登壇していたという事実は気にしてはいけない。大切なのは言葉なのだから。

 

もっと頑張れ、GSMA

GSMAによると、MWCバルセロナ2021には約10万人がバーチャルで参加し、2万人が直接参加した。経営幹部は1,500人だという。

イベントが始まるとGranryd氏は絶好調で、業界のリーダー達に対して各職位における平等と多様性を育み、テクノロジーやインターネット接続を利用できる機会の不均衡を埋めるように求め、絶対的に重要なポイントだとして強調した。氏はそこで止めるべきだった。

「今回の基調講演者について最も印象的だったのは、私たちの価値観がいかに密接に一致しているかということです。私たちは皆、技術革新はインクルージョンと繁栄をもたらすのに最もよく使われるものであり、私たちには自分たちのプラットフォームを誰でも利用でき、誰にとっても公正で安全なものにしていく人としての義務があると考えています」とGranryd氏は話した。

「モバイル業界は常に現状に挑み、必要な時には声を上げています。2021年の今、私たちの業界は事実や科学、テクノロジーへの信頼のために力を合わせています。多様性とインクルージョンに対しても、相互運用性や規模、セキュリティについても、技術的格差とたたかうことに関しても同様です」

GSMAがメインの登壇者にもっと多くの女性を入れることにどれほど見事に失敗したかを考えると、この発言の行間を読むのは気の滅入る作業だ。

こうした失敗の常習犯としては、GSMAは最悪の例でも唯一の例でもない。テクノロジー業界は、従業員や指導的立場にある人のうち、女性、黒人、先住民、その他の有色人種の割合を均等にするなど、自らが拠って立つグローバルコミュニティを反映することができていないことで有名だ。女性リーダーの数は非常に少なく、同イベントの登壇者にもやはりそれが不快なほど反映されていた。

欧州、中国、米国、日本、中東、アフリカ、それにアジア太平洋のほとんどの地域でもそうだが、世界でも規模の大きなモバイルネットワーク事業者を経営しているのは男性のCEOだ。多国籍企業の国内子会社を率いる女性は数名いるが、今でも非常に稀な存在だ。

最も力のある通信ベンダーや技術サプライヤ、ハイパースケーラ各社もやはり男性が率いている。

 

もう1度頑張れ、GSMA

GSMAは、イベントを主催する一方で、関わりのある各企業を代表する存在でもある。GSMAは独自の意思決定を行う準独立機関ではあるが、加盟企業、特に世界でも最大規模のモバイルネットワーク事業者や機器メーカー、ソフトウェアベンダー各社による資金援助とサポートがなければ成り立たない。

女性の登壇者や女性参加者の増加、あらゆる種類の多様性、女性が半分を占める世界人口の割合を公平に反映することなど、より多くを要求するのは加盟企業各社と私たち全員の責任だ。

GSMAは今回発したインクルージョンやエンパワーメントといったメッセージを自ら反映する努力をまったくと言っていいほどしなかったようだ。私たちは誰もがもっとインクルーシブな未来のために努力し、希望を持ち続けなければならないし、GSMAが誤りを正すように促すのは私たちにできる最低限のことだ。業界のリーダーたちはいつでも前向きな変化を起こせる力を持っており、それが実現するまで私たちは彼らにいたたまれない状況を与えることができる。

時間が肝心だ。GSMAが次に開催する、ロサンゼルスとバルセロナでのイベントが迫っている。


https://www.sdxcentral.com/articles/opinion-editorial/op-ed-mwc-barcelona-reflects-industrywide-gender-imbalance/2021/07/

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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