データセンター
文:Emma Chervek

データセンター容量が(さらなる)倍増へ=AWSとGoogleがけん引

データセンター容量が(さらなる)倍増へ=AWSとGoogleがけん引

ハイパースケールデータセンターの数が新たな水準に達した。米調査会社Synergy Research Group(SRG)の最新データによると、現在、19の事業社によって、世界で1,000を超えるデータセンターが運営されているという。

2023年末時点の数字で992施設、データセンター容量は4年前の2倍となっている。SRGの予測では、AIのニーズの高まりを受けて、今後4年間でさらに倍増する見込みだ。最も積極的に拡大を進めている事業者として、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Google、Metaが挙げられている。

具体的には、AWS、Google、Microsoftの3社で世界のハイパースケールデータセンター容量の60%を占めており、AWSとGoogleの容量がMicrosoftよりも「若干多くなっている」という。チーフアナリストのJohn Dinsdale(ジョン・ディンズデール)氏がSDxCentralの取材で語った。

次に多いのが、Meta、Alibaba、Tencent、Apple、ByteDanceの5社で、合計30%を占める。残りの10%はその他の事業者となっている。

「当社の観測では、ずいぶん前から堅調な拡大が続いています。ハイパースケールデータセンターは、数、容量ともに今後も順調に拡大していく、という予測もすでに出していました」と氏。「そこに生成AIが出現し、サービスも登場してきたため、元の成長予測を少し上方修正しています」

今後は年に120~130のデータセンターが新たに稼働、機械学習や生成AIといったHPC(高性能計算)ワークロードに最適化することで、施設ごとの規模も大きくなるという。

こうした予測は、既知のハイパースケールデータセンター建設計画に基づいて作られている。現在は440施設の計画・開発が進められており、それぞれ異なるフェーズにある。

拡大する容量―個別の傾向

Dinsdale氏によると、データセンターの数と規模については拡大傾向が続いている一方で、個別の傾向を見ていくと、決して一色ではなく細かな差異も多々あるという。

例えば、企業が保有するデータセンターは、リースデータセンターよりも規模が大きい傾向にある。ハイパースケーラーのデータセンターを見てみると、国外より国内のものが大規模になっている。

クリティカルなITワークロードを処理するための電力容量で見てみると、米国のデータセンターが世界の合計の51%を占めている。残りの半分のうち、欧州と中国がそれぞれ3分の1に当たる。

「規模については、2種類に分かれる傾向も多少みられます」と氏。「コアデータセンターがますます大規模化する一方で、比較的小規模なデータセンターをユーザーに近い場所に導入するケースも増えています」

例えば、4月には、データセンターサービス事業者の米Greensparcがヒューレット・パッカード・エンタープライズと提携、アラスカ州の辺境コミュニティにエッジコンピューティングインフラを提供すると発表している。小規模なエッジデータセンターはエネルギーコストが低く、レイテンシも低減できると強調した。

「とはいえ、全体としては、主要な分析結果すべてで右肩上がりの傾向線が引くことができる、急成長となっています」とDinsdale氏は述べている。
Data center capacity to double (again), led by AWS and Google

Emma Chervek
Emma Chervek Reporter

SDxCentralのレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:
echervek@sdxcentral.com
X:@emmachervek

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