米FCC、ファーウェイやZTEのネットワーク機器を禁止
米連邦通信委員会(FCC)が国内の通信事業者に対する新規則を採択した。米国内の通信ネットワークにセキュリティ上の脅威をもたらすと判断したファーウェイ、ZTE、その他数社の中国系通信ベンダーが提供するネットワーキング機器等の取得および使用を禁止する。
FCCのR&O(報告及び命令)では、指定したベンダーの機器が「国家安全保障に対し容認できないリスクをもたらす」としている。該当の機器は米国内で合法的に販売・使用するために必要となるFCC認証を取得できず、いかなる除外規定の下でも輸入または販売することはできない。
対象リストにはハイテラ コミュニケーションズ(Hytera Communications)、ハイクビジョン(Hangzhou Hikvision Digital Technology)、ダーファ・テクノロジー(Dahua Technology)が含まれている。
今回の規定は昨年遅くにジョー・バイデン大統領が署名した「Secure Equipment Act of 2021」(2021年 安全機器法)に基づいたものだ。同法はFCCに対して今回の厳格な新規則を導入することを求めていた。
「FCCは信頼できない通信機器の国境内での使用が許可されない状態を確保し、国家の安全を守ることに尽力しています。この件に関しても同様の取り組みを継続いたします」。新規定についてジェシカ・ローゼンウォーセルFCC委員長が述べている。「われわれは電気通信に関わる国家安全保障上の脅威からアメリカ国民を守るための活動を続けており、今回の新規則も重要な一部を担います」
もともと「Secure and Trusted Communications Networks Act of 2019」(2019年 安全で信頼できる通信ネットワーク法)の対象リストに含まれていた機器について、今後の購入が規制の対象となる。同法は2020年早期に議会を通過。2019年半ばにドナルド・トランプ大統領(当時)が署名した大統領令を受けたもので、FCCもこれを支持している。
主な規制対象はファーウェイ、ZTE機器
FCCはすでに販売・設置されている可能性のある機器を調査するための規定も盛り込んだ。米国では既存のネットワークインフラに含まれるRAN装置などの中国系ベンダー機器を総入れ替えするためにすでに数十億ドル(数千億円)の予算を計上している。
今回も注意の対象となっているのはファーウェイとZTEが中心だ。この2社は過去10年の間にRAN(無線アクセスネットワーク)市場で相当なシェアを獲得し、世界最大手の5G RANベンダーの一角として急速に頭角を現した。
ところが、こうした進展は米国との貿易戦争によって一気に暗礁に乗り上げた。西側諸国のほとんどはすぐに米国に追随し、国内の通信ネットワークにおける中国系ベンダー機器の使用を大幅に抑制、あるいは廃止している。
こうした動きによって、これまで強くコントロールされていたグローバルRAN市場が開かれ始め、長年のプレイヤーであるエリクソンやノキアと並んでサムスンのような規模で劣るベンダーも市場にできた隙間を埋めるようになっている。また、オープンRANエコシステムへの関心が高まることにもなった。既存の通信事業者各社はRAN分野にさらなるアジリティと競争力をもたらす技術だとして盛んに持ち上げている。
ファーウェイはこの流れに対抗しようとしており、米中間の地政学的緊張に巻き込まれたと主張している。
「米国政府は両党とも中国に対して腹を立てています」。2020年早期、米SDxCentralの取材に対してファーウェイUSAのアンディ・パーディ(Andy Purdy)CSO(最高戦略責任者)が話している。「中国にひどく怒っており、中国の経済的・軍事的な台頭を心から懸念しています。…(中略)…率直に言えば、中国が世界を征服しようとしているのではないかと恐れているのです。こうした判断にはそのような背景が影を落としている。中国を妨害するためにファーウェイを妨害しようとしているし、ファーウェイよりアメリカの損害になるリスクがあることもいとわないとまで言っています」
ファーウェイは10月、米司法省による刑事訴追の対象となった。同社に対して行われている安全保障調査に関する文書を盗むために米政府関係者の買収を試みたとされる。訴状によると、現在行われているファーウェイと中国政府の関係調査に関するFBIファイルの入手を狙い、ファーウェイの要請で動いていた中国の情報機関員2名が「2重スパイ」に対してビットコインで6万1000ドル(約830万円)を支払った容疑となっている。
米国は最近にも中国への半導体技術の輸出に新たな規制を導入、中国の技術的進歩と軍事先進化を阻止しようとしている。商務省によるこの輸出規制は、製造場所を問わず米国の装置を使用して製造した半導体チップを中国が事実上利用できなくするものとなっている。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/fcc-bans-huawei-zte-network-gear/2022/11/
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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