ネットワーク
文:Matt Kapko

ファーウェイの通信インフラ売上高は14.8億ドル減、エリクソンとノキアは合わせて24.7億ドル増

ファーウェイの通信インフラ売上高は14.8億ドル減、エリクソンとノキアは合わせて24.7億ドル増

第2四半期、通信事業者向けネットワークインフラベンダー市場の売上高は前年同期比5.1%増となり、前四半期の10%増から大幅な成長減となった。米調査会社MTN Consultingが発表した。

2021年上半期の売上高は前年同期比7.4%増の1,104億ドル(約12兆5000億円)。この成長の一因は、2020年上半期に新型コロナの感染第1波がネットワークインフラへの投資計画に痛手となり、売上が低調だったことだという。同社の主任アナリスト、Matt Walker氏がレポートで説明した。

通信市場の設備投資総額は2021年上半期、前年同期比9.8%増の1,511億ドル(約17兆円)となった。なお、同社は2021年初め、通信市場のカバー範囲に新たにAirspan社、Google Cloud社、Amazon Web Services(AWS)社、Microsoft Azure社を追加したと述べている。2021年第2四半期の設備投資額(CAPEX)は前年同期比15%増、事業運営費(OPEX)は同14%増だった。

「人件費が通信事業者のOPEXの大きな部分を占めて(しかも上昇して)います。ほぼすべての大手通信事業者で、自動化が2021年の重要な投資分野となっています」。Walker氏は書いている。「多数の通信事業者がネットワーク運用コストのOPEXに占める割合が増えていると報告しました。これは重要な点です。ベンダー各社は通信事業者の顧客に対し、CAPEX予算だけでなく、OPEX予算をターゲットに販売を進めるようになっていっているのです。特にサービスやソフトウェアの分野で顕著です」

ファーウェイ、エリクソン、ノキアが5Gインフラのトッププロバイダーとして市場優位を維持した。MTN Consulting社はChina Comservice(中国通信服務)を第5位としている。続いてシスコ、インテル、コムスコープ、NEC、中国のFiberhomeがトップ10に入った。

ネットワーク機器メーカーについては、ファーウェイ、ノキア、エリクソン、ZTE、インテル、NEC、シスコ、Fiberhome、サムスン、富士通がトップ10に入っている。上位4社で第2四半期の売上高の64%を占めた。

エリクソンとノキアは、2021年上半期の通信ネットワークインフラの売上高が前年同期比で最大の伸びを記録し、それぞれ14億6,000万ドル(約1,650億円)と10億1,000万ドル(約1,140億円)の増加となった。一方、ファーウェイは前年同期比で14億8,000万ドル(約1,670億円)減となったという。

とはいえ、ファーウェイの年換算売上高は315億ドル(約3兆6,000億円)であり、依然として市場トップに立っている。ノキア、エリクソン、ZTEがこれに続き、年換算売上高はそれぞれ185億ドル(約2兆1,000億円)、170億ドル(約1兆9,000億円)、102億ドル(約1兆2,000億円)となっている。

 

通信インフラのパーティにハイパースケーラーが乱入

また、Walker氏の説明によると、ハイパースケーラー各社が通信インフラの関係者としての存在感を強めているという。過去数四半期の間にAWS、Azure、Googleはいずれも通信関連の売上を「劇的に伸ばして」いる。

「通信事業者とWebスケール企業のこうした協業は過去12~18カ月の間に活発になりました。Webスケール事業者が通信事業者を支援する領域には、サービスやアプリケーションの開発、ワークロードの移行、クラウドベースのサービスの開発、実行、マーケティングなどがあります」。Walker氏は書いている。

「通信事業者がWebスケール事業者との提携に積極的なのは、コスト管理を主な目的にしてのことです。クラウドサービスを提供するWebスケール事業者が、イスラエル発のAmdocs、米Citrix、米CSG、ノキアといった従来の通信事業者向けベンダーと競合するケースが増えています」

MTN Consulting社の概算によると、2021年6月末までの12か月間でAWS、Azure、Googleが上げた通信セクターでの売上高は合わせて19億2000万ドル(約2,170億円)だったという。「これらのクラウド事業者は通信事業者向けベンダーにとって貴重なパートナーとなる場合もありますが、多くの場合は競合相手となるでしょう。追跡調査が重要です」。Walker氏は付け加えた。

同社の予測では、業界全体のネットワーク運用総コストは2021年、約5.3%増加して2970億ドル(約33兆5,000億円)になるという。

「通信事業者によるネットワーク運用業務のアウトソーシングは広く行われており、増加し続けています」とWalker氏は結論付けている。「クラウド事業者はこの増加の恩恵を一部受けています。一方で、多くの従来型の通信ネットワークインフラベンダーが通信事業者の運用予算をターゲットに売上を獲得しています

https://www.sdxcentral.com/articles/news/huawei-telco-infrastructure-slides-1-48b-as-ericsson-nokia-gain-2-47b/2021/10/

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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