IBMコンサルティング 、AWS関連の生成AI コンサルタントを1万人育成
IBMコンサルティングは、ハイパースケールクラウドプロバイダーであるAmazon Web Services(AWS)の生成AI関連サービスについての信頼できる相談先となるため、2024年の終わりまでに関連サービスを扱う1万人のコンサルタントを育成する計画だ。 また、両社は提携を拡大、クリティカルなユースケース向けに生成AI機能のアップグレードを施した共同サービスを提供する。
IBMコンサルティングとAWSの提携は6年前に遡る。グローバル企業による両社への相談が絶えないのは、新興技術を事業に組み入れることがどれほど複雑なものになりうるかをそうした企業が理解しているためだ。IBMコンサルティングのグローバルAWS戦略的提携 担当リーダーであるBecky Carroll(ベッキー・キャロル)氏はSDxCentralの取材に対し、「お客様は、私たちがアドバイスしているテクノロジーに関する当社の理解を頼みとされています。簡単に言えば、需要は膨大であり、機会は熟しています」と語った。
「私たちの共同チームは、クライアントの成功を加速させる強力な信頼関係を築いており、専門知識とテクノロジーの両方を提供することで、クライアントの需要に応えることに全力を尽くしています」とCarroll氏は付け加えた。
IBMの顧客は同社を信頼できるアドバイザーとして頼みにしているため、「現在はAWSの機能を深く理解することが重要」であり、新たに育成されたコンサルタントは、IBMの既存の2万2,000人のAWS認定取得者と、「Watsonxやその他の生成AIの幅広い専門知識をカバーした」エキスパートで構成される「Center of Excellence(CoE)for Generative AI」を補完することになる、とCarroll氏は述べた。
新たな共同サービスは、顧客が生成AIをAWS上に構築し、ビジネスおよびIT運用に迅速に統合することを支援の中心に据えている。そのうちの1つは、生成AIを活用したコンタクトセンターツールで、音声およびデジタルでのやり取りを要約し、カテゴリー分けして解決時間を短縮、品質管理を向上させるというものだ。
IBMコンサルティングはまた、生成AIを活用した「IBM Consulting Platform Services on AWS」をアップデート、IT運用、自動化、プラットフォームエンジニアリングに関わるクラウドバリューチェーンの管理を改善した。AWSでホストされているアプリケーションの保守性と可用性を向上させることを目的としている。
両社はまた、新しいバーチャルアシスタントを導入した。サプライチェーン担当者が顧客の期待に応えつつコストを削減し、サプライチェーンのリスクを評価する業務を支援、サプライチェーンの専門家の生産性を向上させるという。
さらに、IBMコンサルティングはAWSの生成AI関連サービスを「IBM Consulting Cloud Accelerator」に統合し、「クライアントがクラウドへの近代化や移行の工程を加速させるのを支援します」とCarroll氏は述べた。
IBMがAWSにWatsonxを導入
同様の方針で、IBMは、AWS上でフルマネージドSaaS(Software-as-a-Service)として提供する「用途に適した」データストア「watsonx.data」の提供も開始した。ターゲット顧客としているのは、ハイブリッドクラウド環境を持ち、既存のテクノロジーやベンダーにとらわれないデータフォーマット、統一的なガバナンス構造を利用したいと考えている企業だ。「私たちは、銀行と保険が際立ったユースケースであると見ています」とCarroll氏は語った。
「watsonx.dataをAWS Marketplaceのサービスとして提供する大きな利点は、ハイブリッドクラウドに関連するお客様のニーズに対応できる点です。AWSと共に、お客様がAWSクラウドへの投資から最大限の効果を得るための技術と専門知識を提供し、AWSの生成AI機能を活用した最良の戦略を構築するお手伝いができます」とCarroll氏は述べた。
AWSのグローバルシステムインテグレーター担当マネージングディレクターであるChris Niederman(クリス・ニーダーマン)氏は、「IBMと協力し、わたしたちの共通のお客様に対してアプリケーションの拡大を支援するとともに――IBMコンサルタントの皆様が、AWSの生成AIを活用した顧客エンゲージメントのベストプラクティスに関する専門知識を深化させていかれることを喜ばしく思います」と述べた。
SDxCentral のレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
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