【サンフランシスコ】IBMとVMwareが8月末開催のイベント「VMware Explore 2022」で提携拡大を発表した。規制産業向けハイブリッドクラウド環境のクリティカルなワークロードを最新化するという要件に取り組む。

「IBM Cloudでは規制産業向けのサービス提供に非常に力を入れています。金融サービスや保険、医療、通信、航空、重要インフラの運用を担う企業様に加え、事業データを管理し顧客情報を保護する上でも大きな責任を負っている企業様も対象です」。IBM Cloud事業のCTO、ヒラリー・ハンター（Hillery Hunter）氏が記者会見で述べている。

VMwareのクラウドプロバイダーソリューション担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ラジーヴ・バードワージ（Rajeev Bhardwaj）氏によれば、両社の目的はそうした企業や団体を支援、ハイブリッドクラウド環境の各所に置いたアプリケーションを低コストかつ共通の方法で運用できるようにすることだという。

今回の提携拡大の一環として、VMwareのパートナー企業「グローバルシステムインテグレーター（GSI）」にIBMコンサルティングが加わり、顧客のハイブリッドクラウド導入を支援する。

ハイブリッドマルチクラウドというモデルでは、昨今の技術不足や人材不足も相まって、ビジネス変革の過程で複雑さや足りない部分が生じがちだ。「そこでIBMコンサルティングの出番です…（中略）…マイグレーション、モダナイゼーション、ワークロード管理の面でエンドユーザーを支援いたします」。バードワージ氏が述べている。

「規制産業のクライアントにとって、IBMコンサルティングが当社やVMwareとともに取り組み全体の計画やモダナイゼーションを支援してくれるのは素晴らしい機会となるでしょう。ITインフラ全体のコスト構造を変え、顧客体験をモダナイズし、企業として実行しようとしているデジタル変革をより迅速に進めることが可能になります」。ハンター氏も同意している。

「IBM Cloud Satellite for VMware Applications」

また、「IBM Cloud Satellite」が新たに環境を問わずVMwareワークロードをサポートすることも発表された。

IBMはこれ以前にもシスコやデル・テクノロジーズ、インテルなど数十社と提携を結び、マルチクラウドやオンプレミスのプラットフォームを横断するクラウドサービスを開発している。

IBM Cloud Satelliteが発表されたのは2020年のことだ。同プラットフォームはIBM Cloudをベースに「IBM Cloud Observability」を搭載、クラスタや稼働中のサービスを一元的に把握できるようになっている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/ibm-vmware-partner-for-regulated-industries-hybrid-cloud-journey/2022/08/