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文:Tobias Mann

インテルとApple、TSMCの3 nmチップ技術を採用

インテルとApple、TSMCの3 nmチップ技術を採用

インテルとAppleは台湾積体電路製造(TSMC)の3nm製造プロセスを利用する最初の半導体メーカーになる。日経アジアが2日に報じた。

TSMCは世界最大の半導体メーカーで、何年にも渡ってプロセス技術で業界の先頭に立ってきた企業だ。

英調査会社Global Dataのアナリスト、Parth Vala氏はリサーチノートの中でこう述べている。「TSMCはいくつかのプロジェクトに多額の投資を続けており、こうした展開は技術的優位性を維持・強化するという同社の目標達成を大きく後押しするでしょう」

Vala氏によると、TSMCの3 nm技術は同5 nmプロセスに比べて消費電力が少なく、大幅に優れた性能を発揮すると見込まれているという。「ロジック密度が最大70%向上し、速度当たりの消費電力が30%少なくなり、電力当たりの速度が15%向上します」とVala氏。

AppleがTSMCの3 nmプロセスを採用したことはそれほど驚くべきことではない。Appleは過去数世代のAシリーズチップや、最近ではデスクトップクラスのMシリーズプロセッサについても、ほぼ独占的にTSMCに製造を頼ってきた。これらの製品はいずれもTSMCの5 nmプロセスで製造されている。

一方、インテルとTSMCの関係は発展途上にある。インテルはチップ設計だけでなく自社ファブの運営も行っており、今年ファウンドリサービス「Intel Foundry Services」を立ち上げたことで今後TSMCと直接の競合となる意向だ。

インテルはこれまで、TSMCと契約して、最新世代の専用GPUを含め、さまざまな通信HW、接続HW、グラフィックスHW、チップセットHWを製造してきた。

しかしCPUの分野では、近年は業界に後れを取っている自社ファブのみに頼っている。インテルは昨年夏、7 nm製造プロセスについて明らかにした。「Granite Rapids」チップは同技術で生産されることになるが、7 nmプロセスベースの製品の市場投入タイミングは2023年まで延期された形だ。TSMCの3 nmプロセスは、ロードマップによれば2022年後半には量産体制に入る見込みだという。

今後、どのインテル製品がTSMCファウンドリで製造されるかはまだ分かっていない。新たにCEOに就任したPat Gelsinger氏は3月の記者会見で、インテルは「今後も製品の大半を自社ファブで製造していく」とした。

一方、新戦略「IDM(統合型デバイス製造)2.0」の一環として、TSMC、サムスン電子、米Global Foundriesなどのサードパーティファウンドリの利用を拡大し、自社の生産能力を補完するとも述べている。

「事業の拡大に伴い、ファウンドリ企業各社との関わりも規模・範囲ともに拡大していくと予想しています。これにはクライアント向け・データセンター向けの中核となるコンピュート製品をはじめ、さまざまなモジュール式タイルを先進的なプロセス技術を用いて製造することも含まれます」とした。

日経アジアの報道によると、インテルはTSMCと少なくとも2つの3 nmプロジェクトを進めており、その中にはノートパソコンやデータセンターサーバ用のCPUに関するプロジェクトが含まれているという。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/intel-apple-tap-tsmcs-3nm-chip-tech/2021/07/

Tobias Mann
Tobias Mann Editor

Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com

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