セキュリティ
文:Tobias Mann

米Benu、AWS社と提携=通信事業者向けSASEで

米Benu、AWS社と提携=通信事業者向けSASEで

米Benu Networksが2月下旬、Amazon Web Services(AWS)と提携した。自社の持つ通信事業者向けSASE(Secure Access Service Edge:サシー)ソリューションとブロードバンドネットワークゲートウェイ(BNG)を、通信事業者がまだインフラを広げていない地域にも提供可能にする狙いだ。

2010年設立のBenu社はBNGを専門に扱う企業だ。製品には物理アプライアンスと仮想アプライアンスがあり、ネットワークエッジで認証サービスを提供するもので、米Comcastや英Liberty Globalといったインターネットサービスプロバイダが利用している。Benu社が昨年早くに発表したホワイトラベルのSASEプラットフォームも、こうしたBNGをベースにして展開・管理されている。

同社によると、通信事業者がクラウド事業者やコロケーションプロバイダにコンピュートリソースの使用料を支払うのではなく、自社で既存のインフラを活用して拡張性の高いSASEアーキテクチャを低コストでホストすることもできるという考え方だという。

「要は、通信事業者様が自前のZscaler(ゼットスケーラー)を持つことのできる機会を提供しているのです」。Benu社で製品管理担当VPを務めるMichael McFarland氏は言う。「当社のソフトウェアを選ぶという選択肢があります。エンタープライズ企業様からPOP(ポイントオブプレゼンス)へのあらゆる接続を提供できるだけでなく、MPLSSASE、あるいはその両方を組み合わせて販売するということも可能になります」

Benu社とAWS社の提携により、通信事業者はBenu社のSASEプラットフォームをAWS RegionsAWS Outpostsで、コンテナ化BNGAmazon EKSでホストすることが可能になる。また、ローカルとグローバル両方の顧客にサービスを提供することもできるようになるという。

「当社がAWSと提携したことで、お客様は自社のPOPだけでなく、まだネットワークを広げていない地域でもこうしたインフラを運用することが可能になります」。氏は言う。「国際的な企業に対応しようと考えているのなら、現在POPがない国でもサービスを提供しなければならないことがあるかもしれません」

「当社のお客様はどんなRFPにも対応でき、世界のどこにでもサービスを提供することができるという確信を持てるようになったのです」。氏は語った。

 

基本的なセキュリティ機能

Benu社はSASEアーキテクチャを謳っているが、完全とは言い難い。「ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)を備えています。ユーザーを識別し、ユーザーに対してポリシーを設定するという点で基盤となるものです」。McFarland氏は言う。

ZTNAに加えて、Benu社ではクラウドベースのファイアウォールやマルウェアの検出・防止機能も提供している。「ほとんどすべての企業に必要なサービスです」と氏。 

とはいえ、CASBCloud Access Security Broker:キャスビー)やセキュアWebゲートウェイは提供していない。これらの機能についてはパロアルトネットワークスなどのサードパーティセキュリティベンダーとの提携によって提供し、通信事業者のサービスの差別化を可能にしている。

「こうしたベンダーのいずれかに既に投資している企業様の場合には、その資産を引き続き活用することが可能です」と氏は言う。「狙いとしては、CASBなど、セキュリティのさまざまな側面をカバーする先進的なソリューションのミニマーケットを通信事業者様が構築できるようにすることです。そうすれば、市場のある特定の部分にだけ対応するのではなくなります」

https://www.sdxcentral.com/articles/news/benu-teams-with-aws-on-telco-sase/2022/02/

Tobias Mann
Tobias Mann Editor

Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com

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