セキュリティ
文:Emma Chervek

Google、Gmailのセキュリティ強化=大量スパム送信を取り締まる

Google、Gmailのセキュリティ強化=大量スパム送信を取り締まる

Googleは、Gmailをオンラインコミュニケーションのための安全でセキュアな場所にするための取り組みを強化し、大量送信者に対する新たな3つの要件を2024年2月から施行する。

Gmailのセキュリティ&トラスト部門のグループプロダクトマネージャーであるNeil Kumaran(ニール・クマラン)氏 は、ブログ記事で、この新しいルールを「電子メールの世界におけるチューンナップ」と表現した。オイル交換が自動車に役立つことがあるように、スムーズに事を進められるように設計されていると説明している。

しかし、自動車のメンテナンスもそうであるように、「これは 1 回限りの作業ではありません」とKumaran氏は書いている。「電子メールをより安全に、使いやすく、スパムのない状態に保つには、電子メール業界全体による継続的な協力と警戒が必要です」

大量送信者(1日にGmailアドレス宛に5,000通以上のメールを送信するユーザー)に対し、メール認証の実施、簡単に購読解除できる方法の提供、望まれるメールを確実に送信するよう義務付ける予定だ。

こうしたセキュリティに関する動きは、業界内で広く支持されている。例えばYahoo!は、「こうした常識的で高い効果を持つ変更を新しい業界標準にするために、Googleをはじめ、電子メール業界全体と協力することを楽しみにしています」と 述べている。米Yahoo!のシニアプロダクトディレクターを務めるMarcel Becker(マルセル・ベッカー)氏は、「どのメールプロバイダーを利用しているかに関係なく、全てのユーザーにできる限り安全でセキュアな体験が提供されるべきです」と述べている。

Googleによると、これらの最新のアップデートは「電子メールの基本的な衛生管理と考えるべきです」とKumaran氏は言う。新しい要件を満たしておらず、システムを改善するための支援を必要とするユーザー企業向けに、Googleは明確なガイダンスを共有した。

 

大量送信者は1列に整列

この認証要件は、攻撃者によく悪用されるアドレス指定システムの設定ミスに対処することを目的としている。送信者が本人かどうかを確認することは基本的なことのように思われるかも知れないが、「インターネット上では時代遅れで一貫性のないシステムが複雑に交錯していることを考えると、メールが誰から送られたものなのかを確認することができない場合もいまだにあります」とKumaran氏は指摘する。

このルールは、昨年、Gmailアドレス宛に送信されるメールに対し、何らかの認証を実施するよう義務付けられた動きに基づいている。Googleによると、この取り組みにより、Gmail ユーザーが受信する認証されていないメッセージの数は75%減少したという。「大きな進歩ですが、やるべきことはまだたくさんあります」とKumaran氏は言う。

このため、大量送信者に対して、2024年2月までに、確立されたベストプラクティスに従って電子メールを「強力に認証」することを要求している。

また、大量送信者は、受信者にワンクリックで購読を解除できるオプションを提供し、2日以内に購読解除リクエストを処理する必要がある。「特定の電子メール送信者からの不要なメッセージの受信を停止するために、面倒なことをする必要はありません」とKumaran氏は言う。この要件はオープンスタンダードに基づいて構築されているため、送信者が要件を実装すれば、「電子メールを使用する全ての人が恩恵を受けることができます」と同氏は述べた。

また、大量送信者には、Gmailユーザーが不要なメッセージに振り回されないようにするため、迷惑メールに分類される割合を一定のしきい値以下に抑えることが要求される。Kumaran氏は、これは「業界初」であり、スパムメールの大幅な減少につながると主張している。

Google cracks down on bulk spam in latest Gmail security tune-up

Emma Chervek
Emma Chervek Reporter

SDxCentral のレポーター。
データセンターのテクノロジーとビジネスケース、環境持続可能性、クラウドネイティブのエコシステムを担当している。
愛犬コビーとデンバーに住んでおり、一緒に世界一の散歩をする。
連絡先: echervek@sdxcentral.com
Twitter: @emmachervek

Emma Chervek
Emma Chervek Reporter

SDxCentral のレポーター。
データセンターのテクノロジーとビジネスケース、環境持続可能性、クラウドネイティブのエコシステムを担当している。
愛犬コビーとデンバーに住んでおり、一緒に世界一の散歩をする。
連絡先: echervek@sdxcentral.com
Twitter: @emmachervek

記事一覧へ