ネットワーク
文:Nancy Liu

ジュニパー、AIOpsをJunosに組み込み・WiFi 6Eアクセスポイントを発表

ジュニパー、AIOpsをJunosに組み込み・WiFi 6Eアクセスポイントを発表

ジュニパーネットワークスは「AIOps」(Artificial Intelligence for IT Operations)の手法を実現するための広範な製品ポートフォリオを持っている。ネットワークOS「Junos」はその最新部分だ。AI駆動型サポートソリューション「Juniper Support Insights」はネットワークの可視性を向上させ、ネットワークの状態に関する実用的なインサイト(洞察)を提供すると謳っている。

同サービスはジュニパーの最大手顧客の一部をターゲットとしており、シスコ、アリスタネットワークス、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ傘下のArubaといったライバルのAIOpsサービスと競合している。

「IT運用チーム、ネットワーク運用チームが直面する最大の課題の1つは、ネットワークの運用状態を適切なレベルで可視化することです」。ジュニパーネットワークスのCOO、Manoj Leelanivas氏はSDxCentralに宛てたメールの中で述べている。「Juniper Support Insightsはプロアクティブなインテリジェンスとともに全体的な運用状態についてのインサイトを提供、エンタープライズ企業、サービス事業者、クラウド事業者のネットワークを最適化します」

同サービスでは、ルータ、スイッチ、セキュリティアプライアンス、データセンター、コアネットワークなど、ネットワーク全体からテレメトリデータを取得・プールする。データにはネットワークインベントリ、デバイス状態、ソフトウェアバージョンなどがある。収集した情報はジュニパーのナレッジベースと関連づけられ、顧客へのインサイト提供に利用される。

「IT運用チームは現在および過去のネットワークビューを使用し、異なる期間のネットワーク状態のデータを比較することができます」。Leelanivas氏は言う。

また、同サービスではジュニパーのクラウド管理ポータルへのデバイスオンボーディングも簡単になっている。ACX、EX、PTX、QFXシリーズのアプライアンスなど、Junos NOSを搭載したデバイスがサポートされている。

Leelanivas氏の説明によると、この機能はジュニパーの最大手顧客の運用・サポート要件に対応したものだという。「ジュニパーケアサポートサービスを契約しているお客様がこのソリューションを選択することができます。必要な操作はデータの収集方法を選択することだけです。クラウドへの直接送信、または軽量コレクター経由のいずれかを選択します」

どちらの方法でも、追加の設定は必要ない。「軽量コレクターを選んだ場合、ジュニパーが事前設定したフルマネージドアプライアンスをお客様に送付します」と氏。

ジュニパーによると、同サービスは最大2万台のネットワーク機器をサポートすることができ、フットプリントを残さないアーキテクチャとエフェメラルコンピューティングを利用してデータ漏洩リスクを軽減、セキュリティを確保しているという。

 

ジュニパー、インサイトを強化

こうしたデータを利用し、ネットワークの健全性指数とハードウェア・ソフトウェアのインベントリに基づいてレポートや勧告を自動生成する。

「こうしたダッシュボードやレポートが提供する情報によって、お客様はネットワーク機器の改善措置や予防措置を取ることができます」とLeelanivas氏。「これにより、問題やトラブルのリスク低減、運用計画の合理化、デバイスデータとジュニパー固有の知識との関連付け、インベントリ管理の改善、トラブルシューティングの労力と時間の削減を実現し、カスタマーサポートの質が向上しています」

ジュニパーはAIOps機能をネットワークスタックに統合した最初のベンダーというわけではまったくない。Leelanivasは、シスコのSMARTnetサービス、Smart Assistサービス、Business Critical Services、CX Cloudのほか、アリスタネットワークスのCloudVisionや米ArubaのESP(エッジ・サービス・プラットフォーム)を競合に挙げている。

Juniper Support Insightsは2022年初頭に提供開始となっている。

 

「Mist」ソリューションにWi-Fi 6E接続を追加

Junosのアップデートのほか、ジュニパーは「MIST」サービスポートフォリオに新しいWiFi 6Eアクセスポイント(AP)2箇所を追加したと発表した。このトライバンドAPは2.4 GHz・5 GHz帯だけでなく6 GHz帯に対応しており、より広い帯域幅を提供する。

また、今回のリリースでは「Zebra Edge Insights」をAIアシスタント「Marvis」「Juniper Mistクラウド」に統合し、デバイスのローミング、ボイスオーバーIPのパフォーマンスを最適化した。

ジュニパーは2019年初頭に米Mistを4億500万ドルで買収している。無線LANベンダーとしてスタートした同社はMist社のAI機能に魅了され、今ではこれが同社のAI主導型エンタープライズ戦略を支える心臓部となっている

他にはネットワークアクセス制御なしでIoTデバイスのオンボーディングとセキュリティを効率化する試みとして、「IoT Assurance」を紹介している。https://www.sdxcentral.com/articles/news/juniper-drives-aiops-into-junos-debutes-wifi-6e-aps/2021/11/

 

Nancy Liu
Nancy Liu Editor

Nancy Chenyizhi Liu is an Editor at SDxCentral covering security, data center/networking, and cloud native technologies. She is a bilingual communications professional and journalist with a Bachelor of Engineering in Optical Information Science and Technology, and a Master of Science in Applied Communication. She has nearly 10 years of experience reporting, researching, organizing, and editing for print and online media companies. Nancy can be reached at nliu@sdxcentral.com.

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Nancy Chenyizhi Liu is an Editor at SDxCentral covering security, data center/networking, and cloud native technologies. She is a bilingual communications professional and journalist with a Bachelor of Engineering in Optical Information Science and Technology, and a Master of Science in Applied Communication. She has nearly 10 years of experience reporting, researching, organizing, and editing for print and online media companies. Nancy can be reached at nliu@sdxcentral.com.

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