マイクロソフトとオラクル、マネージドマルチクラウドの進展をアピール
![マイクロソフトとオラクル、マネージドマルチクラウドの進展をアピール](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/08/Microsoft-Oracle-Tout-Managed-Multicloud-Evolution.webp)
クラウド大手のオラクルがマイクロソフトとの提携を拡大、最新のマルチクラウド管理サービスでは顧客企業が両社のクラウドサービスを利用できるようになった。
「当社は基本的に――マイクロソフトもそうですが――マルチクラウドは実現可能なものであり、お客様は異なる(クラウド)プロバイダーの技術を一緒に使いたいと望んでいると考えています」。米オラクルでOCIプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントを務めるレオ・リョン(Leo Leung)氏が米SDxCentralの取材に対して語った。
オンプレミスが一般的だった頃、企業はマイクロソフトのソフトウェアとオラクルのソフトウェアを購入し、両方を同じサーバーにインストールして問題なく利用していた。しかし今のクラウドの時代では、「(各プロバイダーが)独自サービスを提供する傾向にあります。そして、そうしたプロバイダーは総じてクラウド間の統合に多くの時間を費やすことはしてきませんでした」
今までこの種のクラウド統合は、「プロバイダーが力を入れる部分にはなってきませんでした。マイクロソフトとオラクルを除けばですが」と氏は言う。
両社が2019年に提携してクラウドの相互接続を開始して以来、これを利用して本番運用を行う顧客の数はリョン氏が見てきたところでは300社以上に上るという。
「お客様はこのメリットを活用し始めました。たとえばAzureで分析を、Oracle Cloudのインフラでデータベースを実行し、あたかも1つのクラウドのように利用できるというようなことです」。リョン氏は説明する。
とはいえ、これには課題もあった。こうしたマルチクラウド機能は顧客による管理が必要となることだ。オラクルは顧客にサービスを提供するが、クラウド間の相互接続を確立し、ネットワークピアリングやIDフェデレーション等を行うのは顧客の責任となっていた。「関連作業が発生するため、限界もありました」と氏。
「Oracle Database Service for Microsoft Azure」ではそうした顧客の責任を一部減らすことが可能となる。リョン氏の説明によると、両社のこれまでのネットワーク相互接続の上に追加されるマネージドサービスだ。「特にAzureのお客様にとって(オラクルのデータベースツールを利用するのが)大幅に簡単かつシームレスな作業になります」
セットアップには3つのステップがあるという。「IDを紐づけて、両方のクラウドを接続し、ユーザー体験に移行します」。「ユーザー体験はAzureに似たものとなっており、Oracleデータベースのプロビジョニングを裏で行うことができます。データベースをAzureに接続するための作業はすべて当社が行います。その後、他のAzureリソースを使用するのと同じようにデータベースの利用を開始することができます」
「体験を非常にシンプルなものにするために裏側では多くのエンジニアリングが行われており、1枚の画面による操作を可能にしています」
顧客の要望がマルチクラウドを推進
リョン氏によると、こうしたマルチクラウド関連の取り組みの多くは顧客の要望によって進められたものだという。オラクルは顧客が異なる技術を併用しやすくするためにマイクロソフトとどのように連携できるかを模索するようになった。
一方で、理由はもう1つあり、それはリョン氏がクラウドの次のフェーズと考えているものだという。現在の市場の成熟度について触れつつ語った。「間もなく新しい展開があると考えています。お客様がプロバイダー各社に連携を要求し、自社の選んだクラウドプロバイダーから最大限のものを得られるようにしてほしい、また、そうしたリソースをかつてのように取り混ぜて利用できるようにしてほしいと求めるようになるでしょう」。リョン氏は言う。
Oracle Databaseソフトウェア開発担当バイスプレジデントのクリス・ライス(Kris Rice)氏は、マルチクラウドがどれだけ複雑になり得るかを目の当たりにしてきたという。「多くのお客様は手作業でこれに取り組まねばならず、2つのネットワークが通信できるようになればそこで手を止めて勝利宣言をするような状態でした」
しかしマルチクラウドとは、もっと大きな枠組みではあるワークロードの一部をあるクラウドで実行し、別の一部を別のクラウドで実行するということだ。「より簡潔明瞭な形で2つの異なるクラウドにまたがるスタック全体を監視できるようにすることです」。ライス氏は説明している。
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Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering environmental sustainability and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
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