標準化団体「O-RAN Alliance」がオープンRANアーキテクチャ仕様の第2版を発表した。今回は同団体が「オープンインテリジェンス」と名付けた機能に焦点が当てられている。

O-RANリリース2には、rAPP（Non-RT RIC Application）とNon-RT RICの間を接続するR1インターフェース、SMO（サービス管理・オーケストレーション）、SMO内のNon-RT RICとNear-RT RICを接続するA1インターフェースが含まれている。

他にも、トラフィックステアリング、サービス品質・エクスペリエンス品質、スライシング、SMOに関する仕様に加え、物理層アクセラレーションの抽象化仕様の第1版、セキュリティテスト仕様が含まれる。

同団体は2021年11月以降、拡張や新機能を含め36の技術文書を更新したという。

O-RAN Alliance、40の新仕様を発表

更新事項としてはオープンアーキテクチャとユースケースに関する進展、ネットワークスライシング、Non-RT RICとNear-RT RICに関する各種の仕様、ユーザープレーンと同期プレーン、フロントホールの相互接続性テスト、DU・CUから成る基地局アーキテクチャと各種APIに関するものがある。

また、フロントホール伝送、運用・保守、認証、さまざまなセキュリティ要件、プロトコル、テスト、脅威モデリングおよび修復分析についても進展があったという。

こうした新仕様は40件あり、O-RAN Alliance内で合計11のワーキンググループが開発、規定している。

リリース1では主にフロントホール、トランスポート、ハードウェア、クラウドのオープンインターフェースの作成に重点が置かれていた。

O-RAN Allianceが標準化を推進し始める

O-RAN Allianceでは2021年を通じて他の業界団体や標準開発団体と共同で進める活動を増やしたという。同団体が定めた最初の仕様、「O-RAN Fronthaul Control, User and Synchronization Plane Specification」（O-RANフロントホールCUSプレーン仕様）はETSI技術委員会モバイル規格グループに提出されており、採用される可能性がある。

今後もETSIにO-RAN仕様を提出していく計画だ。こうした取り組みが通例になれば、O-RAN Allianceに一定の信頼性が与えられることになりそうだ。実際、同団体に対する最大の非難の1つは、業界標準とは別のところで活動しているということだ。

O-RAN Allianceの仕様がETSIや3GPPのような団体によってグローバル標準に採択されれば、同団体の地位は大幅に向上し、否定派による批判の主なポイントが1つ力を失うことになるだろう。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/o-ran-alliance-targets-open-intelligence-in-release-2/2022/04/