米Red Hatが人員削減へ=業績好調の中で
米Red Hatが「新たな環境での競争」に備えるとして数百人の雇用削減を表明した。最近は経済の不確実性が高まるなか、多くのテック企業が雇用削減を発表している。親会社のIBMがRed Hatの好業績に大きく依存した最新業績を報告したばかりだった。
Red Hatの公式ブログサイトでも公開されたMatt Hicks(マット・ヒックス)CEOの従業員宛てEメールには、向こう数か月間で従業員の4%弱を削減するとある。削減前の従業員数は約19,000人で、このうち約700人が影響を受けるという。
氏の説明によると、削減対象は「全機能部門の一般職や管理職などの職務」であり、「顧客への直接販売や製品づくりを行う職務」は完全に対象外になるという。該当者への通知は当日から開始、第2四半期末まで行われる。
「あらゆる企業がそうですが、Red Hatのリソースは有限です。会社としての投資は人材への投資を含め、戦略に沿ったものでなければなりません」。Hicks氏の説明にはある。「当社のような企業にとって最高の組織とはどのようなものか、その機能はどうあるべきかについて、ここ数四半期の間に経営メンバーそれぞれが検討を重ね、今後数年間の組織のビジョンを明確にしてきました。実践するのに必要となる人材やスキルも含めてです」
今後の人員計画については以下のように述べている。「会社として注力する分野を絞り、選んだ分野でさらに良い仕事をしていく必要があります。私たちは事業のやり方を発展させていかなければなりません――私たちがそれぞれ取り組んでいる仕事には、いずれも変える必要のある部分が出てくるでしょう。私たちは複数のチームが関係してくる部分に進んで関わり、学び、もっと直接的に、インターフェイスのレイヤー数が少ない状態で回していく必要があります。これは他所に委託できる仕事ではありません――会社として組織構造をシンプルにすることにエネルギーを注ぐ必要があります。また、組織構造の変化に伴い、企業文化も変えていかなくてはなりません。私たちはこれまでとは異なる働き方を選び、優先順位を変えていく必要があるのです。さもなければ当社を現状に至らしめた各種の問題をただ繰り返すことになるでしょう」
称賛の後の人員削減
数日前にはIBMの第1四半期決算報告があり、Red Hatを中心としたハイブリッドクラウド関連事業が好業績をけん引したと発表されたばかりだった。ハイブリッドクラウド関連の売上高は前年比17%増、Red Hat部門に限れば21%増となっている。
IBMの経営陣はRed Hatのソリューション ポートフォリオについて、全体として「良好な業績」を上げたとアピール。Kubernetesオーケストレーション プラットフォーム「OpenShift」と「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)によって市場シェアを拡大できたとして、両製品を自社の「基本となるハイブリッドクラウド製品」と称賛していた。
「当社が成功を収め、成長を続けている企業でありながら、それでもこうした厳しい措置を取らなくてはならないというのは納得しがたいこととは思います。この決断の核心は、Red Hatの将来のためには投資先を見直す必要があるということなのです」とHicks氏は述べている。「パブリッククラウドやエッジが発展してきたことから、また、通信、自動車などの特定の業界に関し、Red Hatにはオープン・ハイブリッドクラウドを中心とした多大なチャンスがあります。そして市場機会というものは待ってはくれません。当社は適応し、これを実現するための投資が可能になるような変更をしなくてはならないことが明白になったのです。これにはどのように予算と人員を対応させるかということが含まれます」
IBMも今年、世界の全従業員の1.5%に相当する3,900人の雇用を削減、退職手当に係る費用として第1四半期に約3億ドル(約410億円)を計上している。
雇用削減の理由としては、マネージドインフラサービス「キンドリル」を分社化、ヘルスケアデータ分析事業を一部売却したことに加え、「この1年はいくつかの外部要因によって利益やキャッシュに影響がありました」とJim Kavanaugh(ジム・カバナー)CFOが述べている。具体的にはロシアでの「収益性の高い事業」からの撤退を決定したことや米国内のインフレを挙げた。
クラウド業界では急激に雇用削減の動きが広がっている。
Amazonは全社で27,000人以上の人員削減を進めている。莫大な利益を上げているAmazon Web Services(AWS)事業も対象だ。ここ数カ月の間にSAP、Microsoft、Salesforceも雇用削減を実施している。
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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