ネットワーク
文:Dan Meyer

2G vRANという選択肢=サムスンが提供

2G vRANという選択肢=サムスンが提供

韓国の大手通信機器ベンダー、サムスン電子のvRAN(仮想無線アクセスネットワーク)製品が新たに2Gネットワークをサポートする。2Gは20年以上前に登場した通信方式だが、今もレガシーIoTやエッジサービスを支え続けている。

同社によると、今後2G(GSM)機器向けのvRANアーキテクチャをリリースするという。モバイル事業者によるレガシーサービスや新規展開の基盤として利用が可能だ。また、4G/5Gサービスへのシームレスな移行パスも提供する。

「通信事業者様や企業様が2Gというレガシー技術の活用方法を探されているなら、仮想化は効果的な方法の1つになるでしょう。2Gネットワークを維持する上で、展開や管理の効率が向上します」。サムスンネットワークスのバイスプレジデント兼製品戦略責任者、チョウ・キホ(Kiho Cho)氏が自社ブログで述べている。「また、4Gや5Gを今すぐ導入するという状況ではないものの、ネットワークを最新化しつつ将来にわたって有効な技術投資をしたいという市場にとっても申し分ない選択肢です」

チョウ氏によると、通信事業者が同vRANプラットフォームを利用すれば、ハードウェアベースの2Gネットワークをソフトウェアベースに置き換えることができるという。これにより基地局インフラの費用や継続運用費を合理化することが可能だ。

ソフトウェアベースにすることで、2G接続をキャリアの5G接続に移行する際の作業もシンプル化される。ハードウェアベースのサービス移行による顧客減少のリスクを負うこともなくなる。

最近始まった5Gとは異なり、2Gネットワークのほとんどは優れた伝搬特性を持つ低周波帯域を使用している。通信事業者各社はこうしたレガシーネットワークから顧客を移行し、低周波数帯域を利用して5Gネットワークを拡大しようとしているが、これは時間のかかるプロセスになりそうだ。

2Gネットワークのサポート継続状況は地域によってまちまちだ。米国ではほとんどの事業者がレガシーネットワークを既に廃止済みか、遠からず確たる期日を控えている。

チョウ氏によると、欧州の通信事業者の一部は2Gサービスを引き続き利用・サポートし、「2030年以降も活用する計画」だという。「多くの途上国でも、今も2Gが音声サービスの基盤として使われています」

一方、米調査会社ABIリサーチ(ABI Research)の最近の調査報告によると、現在セルラーIoTデバイスの半分以上は4G LTEモジュールが占めており、2G・3Gについては「レガシーモデルの販売はあと数年続くものの、モジュール開発はほぼ終了している」とされている。

サムスンは今年後半に2G vRAN製品の試験を開始、2023年には市場対応製品の提供を開始するという。

 

5G vRANは引き続き成長

サムスンは5G vRAN分野への進出を続けており、今回の2Gに関する発表はその最中で行われた。

2021年前半に最初の5G vRANポートフォリオをリリース。その前には米ベライゾン(Verizon)に5G RAN製品を供給する大型契約を受注しており、これによってベライゾンが同新製品を商用展開する最初の通信事業者となった。最近では米ディッシュ・ネットワーク(Dish Network)と契約、来年に本格稼働を控える同社のネットワークに機器を提供することになっている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/samsung-preps-2g-vran-option/2022/06/

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on containers, lifecycle service orchestration, cloud automation, and DevOps. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.

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